看護師は人と密接に関わる仕事のため、ストレスがかかりやすい職業です。
職場のスタッフ同士や、患者さん相手でも、「イラっ」とする事があると思いますが、そんなときの対処法をまとめてみました。
もちろん看護師以外の方でも役に立つ内容になっていますので、是非ご覧下さい。
下記の内容を知り、実践する事で生理学・心理学的な根拠を持って感情と向き合えるようになるかと思います。
早速解説していきます!
Contents
7つのストレス対処法

①その場から離れる
その場を乗り切る目的としては、最も簡単なストレス対処法です。
自分がイライラする対象を視野に入らないようにすることで、自分の高まった感情を落ち着かせ、自分の気持ちと向き合うきっかけを作ることができます。
②大きく深呼吸をする
深呼吸は自分を落ち着かせる、簡単で効果的な方法の1つ。
交感神経がメインではたらくと興奮し、副交感神経がメインになるとリラックスの状態になると考えてください。
人間はストレスを感じると交感神経優位になります。
生理学的に、深呼吸をすると迷走神経が興奮して心拍数減少が認められ、副交感神経がメインになると言われています。
また深呼吸時に息を吸う時間より吐く時間を長くすることで、副交感神経をより高めると言う報告もあります。
吸う:吐く=1:2(4秒:8秒)
鼻から吸って口からゆっくり吐くのが最も効果的と言われています。
4-7-8呼吸法というのも、安倍総理大臣やヨガの世界でも取り入れられている方法でかなり効果的です。
③目を閉じて”今”に集中する
いわゆる【瞑想法】です。
人間はあれもこれも考えているように思えても、ある一瞬はある1つのことにしか意識を向けることができないと言われています。
この人間の性質を利用しある1つのことに意識を集中させ、日常のストレスから解放された意識状態に導く方法です。
意識を集中させる方法は、いろいろなものが使用されますが最も効果的と言われているのは、身体感覚に意識を集中させることです。
上記で説明した呼吸法と組み合わせても効果が高いです。
(心臓の拍動、誰かの足音、物音、時計の秒針の音、などに集中すると怒りの感情が軽くなります。)
④自分の感情を客観的に捉え、怒りを10段階中で評価する
様々なところで話題になっている【アンガーマネジメント法】の1つです。
アンガーマネジメントの手法では怒りを10段階のレベルに分けて数値化します。
1〜3:軽い怒り(まあいいか、と流せる程度)
4〜6:少し強い怒り(平静だけどモヤモヤする程度)
7〜9:強い怒り(明らかに憤りを感じる程度)
10:人生最大の怒り
自分の怒りを数値化することで冷静になれるのはもちろん、状況を客観視することができれば怒る必要があるのかどうか判断ができるようになってきます。
⑤意味付けを行う
怒りは、その本人にとって正当な理由があるから起こるのであり、自己(の正義)を守る正当防衛的な感情である。
引用;山根一郎:怒りの現象学的心理学
この論文でも解説されている通り、その怒りを抑えるべきかどうかはその怒りの根拠を吟味した上で判断するべきであると、記述しています。
つまり、先輩や患者さんは意図があって、あんな事を言ったのではないか
と考えた結果、
納得できるため怒りの感情が鎮まるという流れになります。
人間は自分の価値観で理解できないことに対して、不安や怒りといった感情が生じます。
自分がその場では理解できなかった物事に対して【意味付け】をすることによって、高まった感情を抑えることができるのです。
⑥紙に書く
問題に直面したとき、自分の感情を紙に書き出すことでストレスが軽減します。
心理学者の「アダム・グラント氏」の研究ではこう記述しています。
トラウマを抱えた対象者を「日常について書くグループ」「トラウマの体験について書くグループ」に分け、1日15分かけて書いてもらったところ、トラウマについて書いた参加者において地元の保健所に通う割合は1ヶ月あたりの訪問者が50%減少しました。
また別の研究で、失業した100人のエンジニアを2つのグループに分け、「失業したことについて書いたグループ」はそうでないグループよりも雇用主に対する怒りや敵意が少ないことが分かりました。また、飲酒量も少なく、8ヶ月後には54%が再雇用しました。そうでないグループの再雇用率は19%でした。
以上の内容から紙に書くことは長期的にもメリットのある行為であることが分かります。
⑦誰かに話す
問題に直面した際、先輩や同僚・友人などに相談することで、気持ちが楽になったり、アドバイスをもらうことで問題解決につながる方法です。
病院で働いていると、苦手な患者さんや、どう対応し良いかわからない場面、先輩の態度に落ち込んでしまう場面があると思います。
そういったときは、自分1人で抱え込まず周りの人に相談することをおすすめします。
皆さん自然とやっているとは思いますが、誰かに話すというのは【ストレスマネジメント】の1つで、論文も数多く出ているほどしっかりした根拠のある方法です。
まとめ
いかがだったでしょうか??
ネットで見る方法と同じような内容だったな、と感じる方もいると思います。
しかし、その方法に【根拠】を持つことで、より効果を発揮します。
今回は即効性のあるものを紹介したので、是非実践してみてください。
以上、最後までありがとうございました!